首里に住まう男

沖縄の古都、首里に移り住んだ関西人の表の顔

『ホットロード』

シネマに寄り道。この時間は『ドラえもん』と『ホットロード』か。なかなか微妙な選択を強いられる。

ポスターを見比べて、能年玲奈に軍配を上げた。抜群のデザインだ。この表情、このスクールセーター姿はやばい。

舞台は湘南か。東京に住んでいて、自分のクルマを持ったなら、誰もが最初に向かう場所だ。江ノ電と並走する国道134号線。懐かしい風景。夜明けの映像がとても美しい。

けれど、なかなか映画に入り込めない。暴走族?ヤンキー?こういう領域は昔から苦手だったしな。横浜銀バエとか、オトコ組とか、ツッパリさんたちの美意識には共感するところがなくて。

きっと感動する人も、世の中にはある程度の割合で存在するのだと思う。小中学校時代にそのことは学んだ。だから、今回は映画としての批評はしないでおこう。そう、これは価値観の問題なのだ。

原作は知らない。ずっと昔に人気のあった少女コミックなのだとか。それにしてもなぜ、何のために、このタイミングで実写化したのだろう?

おそらく、アイドル映画という範疇があるのだ。確か昔もそんな映画があった。松田聖子野菊の墓」。小泉今日子あんみつ姫」。お気に入りのアイドルが映っている。大画面で動いている。それでお客は満足なのだ。際どいシーンはご法度。キスシーンもフェイク。なるほど、アイドル映画としての要件をホットロードは十分満たしている。

席を立ちたい衝動を抑えてエンディングを待った。能年さんの最後のセリフを聞いて寒気がしたこと、ゾッとしたことは、事実として記録しておくことにする。