師匠
大学の指導教官が亡くなった。
ゼミのOB会メーリングリストから知らせが届いた。
お通夜は明日、告別式は明後日だという。
最後にお会いしてからもう何年も経っている。
無沙汰の限りを尽くしたが、式場に向かうことに迷いはなかった。
会場には早く着くようにした。
小さな奥様は気丈に振る舞われていた。
ほっとした。
「痩せこけてしまったけれど、会ってやってくれる?」
やせこける?その言葉の意味が正直よく分からなかった。
先生のお顔は変わり果てていた。
しかし間違いなく先生だった。
親は選べないが、先生は選ぶことができる。
この方こそが僕の先生だったのだ。
そう確信した。
長年のご指導、有難うございました。
安らかにお眠りください。