首里に住まう男

沖縄の古都、首里に移り住んだ関西人の表の顔

『Into the Storm』


(非公開)


帰り道、映画館へ。最近はめっきりこのパターンだ。職場で拾ってきた陰鬱な気分を、どこかに置いてから帰りたい。選んだのは『Into the Storm』。

大災害という試練を乗り越えて、強く結び付く家族の絆、ですな。ベタだ、クサい、とおっしゃる御仁もおそらくいらっしゃるだろう。でも僕は楽しめた。この教頭一家の人間模様にはすんなりと入っていけた。この家族はきっと全員生き残る、そんな結末を思い浮かべつつ、ストーリーに身をゆだねる。

印象に残ったのは2つ。一つは炎吹きあげる竜巻に若手カメラマンが吸い込まれ、高く舞い上げられる場面。悲惨なシーンが意外と少なかったが、マジでここはとても怖かった。不謹慎かもしれないが、正直9.11の映像がフラッシュバックした。

もう一つは、観測用装甲車が天高く巻き上げられる場面。あれほど見たいと望んでいた竜巻の目の中。その先の想像を絶する世界には、想像を絶する美しい光景があった。いやー、こんなのよく描くよな。絶した先の想像の世界。CGのレベルには驚くばかり。

残念だったのは飛行機が巻き上げられるシーン。ここだけが例外的に現実味がなかったな。それ以外はものすごい迫力。ハンディカメラを活かした一人称で語られる映像(POV:Point of View Shotというらしい)が効果的だっただけに惜しい。

リアリティといえば、ちょいポチャちょいブスのヒロイン、全くイケてない高校生兄弟。いかにもいそうな雰囲気。こういう人選って意外に重要かも。