首里に住まう男

沖縄の古都、首里に移り住んだ関西人の表の顔

今年のウルグアイ戦に思う

アギーレ新体制における初戦。相手は大好きなウルグアイ。今年もはるばる日本にやってきてくれた。

スアレスは召集されず。例のペナルティは国際親善試合には適用外だったはずなのだが。でも去年はケガでこれなかったカバーニがお目見え。A・マドリーの鉄壁DFもそろって出場。今年も手抜き一切なしのワールドクラスのメンバー。ありがとう、ウルグアイ

試合は2-0で日本の完敗。点差以上に差があった。客観的に見て、二段階以上のレベル格差。見ていて清々しいほどの負けっぷり。

出場したのは戦ったばかりのW杯メンバーが中心。チームワークは円熟の域だ。攻撃スイッチのON/OFFのタイミングはバッチリ、バイタルエリアでのパス回しはまるで精密機械。ヒラリとターンしながらパスを受け、さらにヒラリとターンしながらパスを出す。ため息が出るような美しさだ。

監督が不在(背骨の治療のために来日せず)でも、ピッチ上はピシッと統制の筋が通っている。そこに代表初召集の若手が次々と交代で入ってくる。まるで先輩からバトンを受け取った下級生。初々しくも与えられた役割をキチンとこなす。パズルのピースは埋まり、統制には一糸の乱れもない。

まさに理想的な世代交代じゃないか。ナショナルチームなのに、チームとしての統一感、結束力が素晴らしい。さすがサッカー列強、そう感じざるをえない。

_____

一方の日本代表。キャッチフレーズは「ゼロからのスタート」ですか。まずはお得意の自己完全否定ですね。わかります。

森重さんの貫禄に驚嘆。目の輝きが明らかに違う。加えてあの落ち着き。新しいポジションを即席でこなすだけでもスゴイのに、十分に全体の要となっていた。もしアギーレがこのフォーメーションを続けるのなら、間違いなくロシアで森重はキープレーヤーとなるだろう。

注目したのはパスのスピード。全体のリズムを作っていたのは森重のパスだった。細貝のは2割ほど遅い。一方、本田のは2割ほど速い。このリズムが揃うようになると、日本の攻撃は威力を発揮するのだと思う。

問題は誰のスピードに合わせるかだ。誰をメトロノームにするか。今回はブラジルW杯の経験から森重のスピードが一番マッチしていた。細貝は少し遠慮していたような気がする。本田は相変わらず尖り過ぎ。とはいえ、世界レベルを体現する本田の無言の主張には、一定以上の重みがあった。

ともかく、チームとしてはバラバラ。ウルグアイとは対極の世代交代。前途は多難、だな。