首里に住まう男

沖縄の古都、首里に移り住んだ関西人の表の顔

母と京都へ

ゆっくりと朝食を食べ、母とともに京都へ向かう。

あいにく天気予報は雨。東本願寺は京都駅の目と鼻の先。七条までは地下道もあるし、まあ大丈夫でしょう。

母の歩く負担を考え、JRは新大阪から乗ることにする。混んでいる新快速はパス。快速のボックス席に向かい合わせに座り、雑談しながらゆっくりと京都駅へ。

三連休の京都駅はやはり恐ろしい人の数だ。人をかき分けて烏丸口を出ようしたところ、滝のような大雨。ついてないな。地下街ポルタへはエスカレータで下り、味気ない地下道をとぼとぼと予定通り歩く。

突き当たりの長い階段を上がると、そとは七条烏丸の北西角。ここから最寄りの阿弥陀堂門までは100メートルもないのだが、折り畳み傘の骨が折れそうな土砂降りの雨。待ってても仕方ない、さあ頑張って歩きますか。

東本願寺の門をくぐるのなんて、いったい何年振りだろうか。小学生の時に初めて参拝したのは覚えている。それ以降は、来たような来ないような。

向って左側の阿弥陀堂は改修中。巨大な覆いが被されていて何と趣がないことか。雨を避けながら、向って右側の御影堂へ。靴を脱ぎ、雨傘をたたみ、それぞれポリ袋に入れて参堂する。

ちょうど「おかみそり(帰敬式)」が執り行われていた。厳粛な雰囲気。母と並んで椅子に座り、静かに手を合わせる。

祖母が亡くなり、ここの須弥壇に収骨して頂いてからもう何年も経つ。僕と一緒にお参りしたいというのが母の願いだった。今日、こうして喜んでいる母を見ると、ああもう少し早く来てやればよかったなと反省。

来てよかったな。気分はなんだか島倉千代子。「東京だよオッカサン」の歌詞がぼんやりと頭に浮かんだ。

「東京だョおっ母さん」
作詞:野村俊夫、作曲:船村徹


久しぶりに 手をひいて
親子で歩ける うれしさに
小さい頃が 浮かんできますよ
おっ母さん ここがここが二重橋
記念の写真を とりましょうね


さあさ着いた 着きました
達者で永生き するように
お参りしましょよ 観音様です
おっ母さん ここがここが浅草よ
お祭りみたいに にぎやかね