首里に住まう男

沖縄の古都、首里に移り住んだ関西人の表の顔

不正再発防止

STAP問題について。12日付の「研究不正再発防止のための提言書*1を読んでみた。

これはなかなか読ませる内容だ。どれほどまでいい加減なことが理研内で起きていたのか、実に生々しく記されている。確かに理研は腐っていた。

小保方さんのみならず、理研の上司、管理者についても、相応の厳しい処分を行うべきだという。そしてCDB*2は解体すべきだという。研究不正を誘発する、あるいは研究不正を抑止できない、構造的な欠陥が組織にあったのだからこれは当然だろう。ここまでは納得のいく結論だ。

しかし、「STAP現象の有無を明らかにするため、科学的に正しい再現実験を行うこと」という提言については、首をかしげざるを得ない。

もういいだろう。STAP細胞はオカルトの世界。もはやUFOやネッシーと同じだ。もうこれ以上、血税を1円たりとも使わないでほしいのだが。4月9日のブログ「小保方会見」で書いたとおり、小保方さんが自腹でやるべき話だ。STAP信奉者からクラウドファンディング資金調達すればいい。アホな金持ちのオッサンがおひねりをくれるでしょう。文部科学大臣もポケットマネーでいくらかだしてくれるでしょう。

そしてもう一つ、この提言書を読んでなかなか腑に落ちないところがある。これはもちろん理研に対する提言書ではある。しかしはたして、理研という一組織の改革によって、この種の不正の再発は防止できるのだろうか。

というのも、小保方晴子という怪獣は、けっして理研だけで作り出したのではないことは明らかだから。推薦状を出した女子医大やハーバード、さらには学位を授与した早稲田には相応の“責任”があるのではないか。それぞれの組織において、STAP問題に関する個人と組織の責任を明らかにすべきだろう。さもなければ、研究不正の温床は残り、そこから次の怪獣が出現することは間違いない。

ヘンドリック・シェーンの研究不正はかのベル研究所を消滅させた。理研や早稲田が消えても何の不思議もない。

*1:研究不正再発防止のための改革委員会「研究不正再発防止のための提言書」2014年6月12日

*2:理化学研究所の発生・再生科学総合研究センター