信販との提携ローン
みずほ銀行への業務改善命令、これはなんとも奥が深い。
2013/9/27 16:43〔日経QUICKニュース〕
これはオリコとのキャプティブローンでしょう。当該キャプティブローンに限らず、信販会社との間で結ばれる提携ローン(四社間提携ローン)の場合、資金を提供する銀行は反社チェックは信販会社による審査に依存せざるを得ない。資金を出したあとで(正確にいえば、与信OKしたあとで)、銀行の持つリストに照らして反社であることが判明しても、資金の提供を断ることは難しい。
貸した後で反社であることがわかってしまう。資金の出し手としての銀行は基本的にどうしようもないのだ。銀行では貸せないから信販会社にやらせたわけではない。バブル期に頻発した、住専やリース会社など関係会社を通じた迂回融資とは悪質性が全く異なる。
- みずほ銀は暴力団構成員などとの取引について2010年12月に把握していたが、2年以上にわたり取引防止や解消に向けた抜本的な対応を行っていなかった。同様の取引が多数存在するとの情報も担当役員レベルで止まっていた。
対応する方法がないわけじゃないんだけれども。この反社照会が提携ローンの肝だと気づけるかどうか、適切に対応できるかどうかが営業企画担当者の真の腕の見せ所だと思う。ただ、オリコはグループ会社だからねー。リストを共有することができず、しかもグループ会社が反社に貸していることを咎められるのなら、銀行として対応は困難を極める。ここが今回みずほのつらいところだ。
ともあれ、同様のスキームでキャプティブローンを手掛けている金融機関は数多い。関係者は戦々恐々でしょう。1つや2つは必ず反社に貸してしまっているはず。さらに、本当に厳格にこの反社取引防止措置を金融機関に要求するなら、歴史ある四者間提携ローンも引っかかってしまうでしょう。銀行がダメで保険会社ならOKという二重基準が許されるとしたら、またそれはそれで驚きだけれども。