首里に住まう男

沖縄の古都、首里に移り住んだ関西人の表の顔

八重山

辞職後、初めての旅にでた。2泊3日で八重山竹富島へ。

八重山という土地の名、これまではポジティブな響きだった。けれども、率直に言って、今回はこの響きに対して複雑な感情を隠せない。もうこの地を踏むことはないと思っていた。

職場で徹底的に嫌がらせをしてきた上司。コンプレックスと虚勢の塊であるあの男はこの地の出身だ。企画担当で幼稚な行動を取りつづけた上席調査役。そう、「殺すぞ」と僕を脅してきたあの男もこの地の出身だ。あのような邪悪な人間たちを育てるおどろおどろしい土地という印象を、残念ながらこの5年で植えつけられてしまった。

2003年、2009年そして今回。竹富島は3回目の訪問になる。ゆったりとした時間が流れる、それはそれは穏やかな島だった。すっかり煤けてしまった八重山に対する愛着、沖縄に対する気持ちをもう一度取り戻せるだろうか。

そんな感情を抱えながら、5か月ぶりに那覇空港へ。空席が目立つ石垣行きの便にひとり搭乗した。