首里に住まう男

沖縄の古都、首里に移り住んだ関西人の表の顔

節分

今夜は節分。

僕はこの節目をとても大切にしている。この日を境に、気持ちのスイッチを入れ替えている。

子供のころから豆まきは一度も欠かさず。恵方巻も、もちろん家族みんなで。鼓笛隊のトランペットチームのような姿で頬張っていた。

京都で暮らしていた時は、下宿のすぐ裏が吉田神社だった。ここの節分会は室町時代からつづく格調高いもので、立派な鬼を立てた大がかりな追儺(ついな)が催される。日が暮れてから、裏道を通って吉田山を越え、見物に行くのが楽しみだった。

思い出したが、この日は大学時計台前の通り(東一条)にずらりと出店が並ぶ。キャンパスの正門は一年でこの日だけ、閉じられたような気がする。大晦日も正月も、一晩中開けっぱなしになっているのに、この日だけ。今も変わらないかな?

東京で住んでいた時は、もちろん穴八幡宮だ。一陽来復のお札を頂けるのはこの日まで。お札を張れるのは、節分の真夜中0時がラストチャンス。冬至が出張、大晦日に帰省だった年にはこの節分を緊張した気持ちで迎えたものだ。

沖縄でももちろん豆まきは続けている。恵方巻も、もちろん。もっとも、出張にでていて東京で節分を迎えることが多かった。地銀協研修所の小部屋で恵方に向かって食べたこともあった。去年は成田山で豆まきを見て、穴八幡で巻き寿司を頬張った。八重の桜の豆まき。もう1年経つのか。あっという間だ。

今年もささやかに豆を撒いて、でかい恵方巻を完食した。母親から「丸かじりの節分の日 そちらはどんなんですか?」とメールが来た。

はい。もちろんちゃんと食べました。写真を付けて返事しておいた。