首里に住まう男

沖縄の古都、首里に移り住んだ関西人の表の顔

祝・えび3周年

エビを飼い始めて3年が経った。実に実に感慨深い。

突然思い立ち、近所のペットショップで2匹購入した。それが3年前の2月14日。一匹あたり98円だった。

育て方も何もわからない。インターネットで調べると、意外とデリケート。水質には敏感で、ほんのわずかの残留農薬でもアウト。カルキ抜きや温度合わせもキチンとやらないとすぐに死んでしまうとあった。

気を使いに使い、金魚鉢に移した。その翌日、エサをモリモリ食べていたのを見て、心からホッとしたものだ。

雌雄は身体の赤い斑点で見分ける。オスは点線状(・・・)、メスが破線状(- - -)。オスと思しき方をガチオ。メスと思しき方をエビチャンと名付けた。

ガチオの方が少し小さいが、ものすごい大食漢だった。沖縄弁で食いしん坊のことを「ガチマヤー」という。だからガチオ。

寿命は2~3年らしい。wikipediaには「うまく飼えば3年くらい生きる」とあった。まずは2年は生きてほしい。3年頑張ってくれたら、とてもうれしい。そう思った。
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エビチャンは去年の5月に亡くなった。だんだんと食が細くなり、あまり動かなくなった。最後の数日は身体が斜めになってしまい、ついに動かなくなった。かわいそうだった。我が家に来てから2年と3カ月だった。

一匹になってもガチオは平気。いままでと同じようによく食べ、よくウンコをし、よく脱皮した。

初めての脱皮の時はホントに心配した。急に食欲がなくなり、全く動かない。2日ほどそんな状態が続き、「ああ、もうこれはダメだ。」と落ち込みまくった。

翌朝、脱皮した姿を目撃した。ピカピカに輝く新しい身体と、脱ぎ捨てられた古くて重い鎧のような皮。感動的なその様子に、涙が出そうになった。

当時の僕は銀行内の嫉妬や苛めでがんじがらめ。エビがシガラミから解き放たれたのを見て、いつかは僕も、と思ったものだ。その時から脱皮は僕のラッキーイベントになった。
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今日は3周年記念日を前に、水槽の掃除をしてやった。もう3年もやっているから手慣れたものだ。澄んだ水の金魚鉢を窓際に置くと、なんだか気持ちも良くなる。エビも生き生きとしている。

目標だった3年を迎えることができて、まずは肩の荷が下りた。これからもずっと元気で、たくさんの幸運を運んでほしい。