首里に住まう男

沖縄の古都、首里に移り住んだ関西人の表の顔

さよなら職安

最後の失業給付支給日。

いつものように、受付で「雇用受給資格者証」と「失業認定申告書」を提出。

前回見つけたパーティションの陰にある肘掛けイス。このお気に入りの席に腰掛け、いつものように呼び出しを待つ。もう待ちぼうけにも慣れた。

いつもより長めに待ったような気がする。僕ともう一人の名前が呼ばれた。担当のお兄さんが、ちょっと神妙な顔で僕ら二人にこう告げた。

「えー、今回で支給は終わりとなります。今後も1階の求職コーナーは自由に使えますので。お疲れさまでした。以上です。」

失業給付の基本手当日額が7,830円。90日分支給。総支給額が704,700円。以上。

"Making money is art and working is art and good business is the best art of all."

毎月一度ここにきて、1階で求職活動をして、2階で支給認定を受ける。これがこの3ヵ月の僕の「芸術」だった。最高かどうかはともかく、紛れもなくこれが僕のアートだった。

さよなら、職安。

*1:Delves Broughton, Philip (2012). The Art of the Sale. New York, NY: The Penguin Press. p. 165.