代ゼミの閉鎖に思う
日経の記事から。「代ゼミ、20校閉鎖 浪人生減で全国7校に。」
- 近年は国立回帰や現役志向の高まりが逆風になっており、浪人生に依存した事業モデルからの脱却を図っている。
人生で一番大きく成長できたのが浪人時代だった。そんな僕にとっては何とも感慨深いニュースだ。
21,450人。これが今年度(2014年)の予備校生数だ。文部科学省の最新の調査「学校調査・学校通信教育調査」。その速報値。
予備校生数のピークは1977年度。23万人もいたというから驚きだ。まさにひとケタ違う。「予備校生です。」と堂々と自己紹介できた時代だったろう。僕の同期は14万人ほど。それでも今よりはずっと多い。
_______
高校時代は全く勉強しなかった。進学校に在籍している、ただその理由だけで、そこそこの大学には入れるつもりになっていた。現役時代、共通一次はたまたまいい点を取ったが、二次試験は惨敗した。
そして浪人生活へ。背水の陣。生まれて初めて「切羽詰まる」という状況になった。必死で勉強した。なぜ自分はここまでして京大に行きたいかを真剣に考えた。
学んだのは受験テクニックだけではなかった。当時の河合塾にはいろんな講師がいた。大学院在籍のお兄ちゃん先生から全共闘崩れのプロ闘士まで。アカデミアの最前線から世の中の渡り方まで、ありとあらゆることを学んだ。
一生ものの友人もできた。まさに戦友だ。肩書もプライドも自信も、何もないところで出会った。最低の状態をお互いに知っている。だから中年になった今も全く気が置けない関係のままだ。
結局、目標としていた大学には入れた。必死で頑張れば何とかなる。やれば必ずできる。失敗してもやり直しはできる。受験失敗という挫折を、予備校はそんな自信に変えてくれた。高校よりも「河合塾大阪校」で得たものの方がずっと大きかった。
現役で大学に行っていたら、きっとつまらない人生になっていた。