首里に住まう男

沖縄の古都、首里に移り住んだ関西人の表の顔

US Open Final

WOWOWでしか観れないとあきらめていたUSオープン・男子シングルス決勝。NHKが録画中継してくれた。ありがとう!

試合前、観客席が映しだされる。錦織のコーチはマイケル・チャン。チリッチのコーチはゴラン・イワニセビッチ。二人とも、完全にオッサンになっているのに驚く。僕がラケットを握っていたのは彼らが直接コート上で戦っていた頃までだ。いやあ、ちょっと落ち込むわ、まじで。

錦織は終始受け手に回っていた。仕掛ける側は常にチリッチ。こんなに自信を持ってリズムを変化させられるなんて。相撲でいえば、組み相撲なのに「まわし」もつかめないまま寄り切られたというイメージ。

1stセット、チリッチがこの試合で初めてブレイクしたゲーム。ブレイクポイントの2ラリー目、チリッチのリターンがベースラインを越えたように見えた。もちろんオンラインだったのだが、あれがもしアウトだったなら。

そこまでは互角のように見えた。あのポイントがアウトだったら流れは変わっただろうか、と考えてみる。いや、おそらく変わらなかっただろう。この試合、チリッチに付け入る隙は全くなかった。錦織の完敗だった。
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グランドスラムの決勝に日本人が登場するとは。それがUSオープンというのが、僕にとっては何とも感慨深い。

会場はニューヨークのクィーンズ、Flushing Meadowsテニスパーク。僕も留学中に一度だけ見に行った。はい、もちろん安上がりの地下鉄で。

当時のセンターコートは現在のアーサー・アッシュ・スタジアムではなかった。もっと傾斜の小さな弁当箱のようなコート。高校の時は熱心なテニス少年だった僕は、テレビで見ていた通りの風景に感動した。

そこで観たのは、イヴァン・レンドルとヤニック・ノア。レンドルはまだ絶頂期、ノアは引退間近だった。入場料はホンの数ドルだったように思う。こんな値段で、こんな試合を目の前で見せてもらえて本当にイイの?アメリカは凄い国だと痛感したのを覚えている。

会場で記念のTシャツを買った。背中には小さく日の丸が描かれていた。お気に入りだったのだがボロボロになり、東京に捨ててきてしまった。ちなみに、優勝したのはボリス・ベッカー。ええ、日本人の出る幕はありませんでした。正直、この年日本人として誰が出場していたのか、全く記憶にない。

今日、日本人がUS Openのファイナルを戦った。それだけで何だか泣きそうになる。