首里に住まう男

沖縄の古都、首里に移り住んだ関西人の表の顔

OKICAは二度死ぬ

ゆいレールの回数券を買おうとしたところ、「10月20日にIC化」なる掲示に目が行った。

例のOKICAがついに導入される。全国の交通系ICカードとの互換性をもたない、史上最低の交通系ICカードだ。1月29日に仕様が発表された際、僕ははっきりと「OKICAは死んだ」と評価しておいた。

「いま回数券を買ったら、10月20日以降は使えなくなるのですか?」と窓口で尋ねたところ、「いえ、使えますよ。残った券をQR乗車券に交換します。」と駅員さんはおっしゃる。

ならば安心だ。使いきれなくて無効になるという心配はない。参考まで、「そのQR乗車券とやらになっても、回数券は発売されるのですよね?」と聞いてみた。

「いえ、回数券はなくなります。ICカードに割引機能が付きます。」駅員さんはさらりと答えた。いったいどういうことだ?これを聞いて即座に理解できる人間がいるだろうか。

「ICカード「オキカ」 10月20日導入」


「OKICA(オキカ)」が10月20日からゆいレールで先行導入される。同日からカードをかざして電子マネーで運賃を決済するICカードと、券面のバーコードをかざして読み取る新型乗車券QRコード専用の券売機と改札機が導入され、同30日に全機入れ替わる。回数券を含め従来の磁気乗車券・紙券は廃止する。

沖縄タイムス 2014/09/03

地元コミュニティ誌に記事が出ていた。磁気乗車券、紙券は廃止するという。これはまたドラスティックな改革だな。裏側に磁気の付いた、あのお馴染みの乗車券をもうこれからは使わない。というのであればそれは環境にも優しい。

ところがよく読むと、チケットレスになるという訳ではなかった。紙は廃止するのではなく、新しく別の「紙の」乗車券を導入するということらしい。「電子マネーで運賃を決済するICカード」とは別に、「券面のバーコードをかざして読み取るQRコード専用の券売機と改札機」も同時に新たに導入されるという。

前者(ICカード)は全国交通系でデファクトとなっているFeliCaと思われる。JRの改札口で「ぴっ」と財布をかざす、アレだ。後者(QRコード)は非接触光学読取方式。空港のセキュリティチェックとゲートで「ぴっ」と搭乗券をかざす、アレだ。

磁気カードを廃止して、一気に非接触型QRコード読み取り式に。本土の交通機関ではまずできない大胆な設備投資だ。とても割に合わない。さすがに交付金という財布は強力。湯水のごとくカネが湧いてくる。ならばこんな投資もできるわな。お金持ちは違うねぇ。

血税は水より薄し。まあどうぞ勝手におやんなさい。
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さて、本論はここからだ。先の地元コミュニティ誌の記事はこう続く。

(以下非公開)