首里に住まう男

沖縄の古都、首里に移り住んだ関西人の表の顔

伯母の見舞いへ

両親とともに伯母の見舞いに出向く。

今回帰省した目的のひとつは、大きな手術をした伯母を見舞うこと。今月半ばに胸部大動脈瘤が見つかり、その週のうちに緊急手術を受けることになったという。予定よりも早めに実家に帰ることにした。

母が言うには、それは厳しい状態だったと。たまたま撮ったCTに巨大な動脈瘤が映し出された。ほんの少しのショックで破裂してしまう危険な状況、そのままでは年内は持たないだろう。

緊急手術は「ステントグラフト内挿術」という手法。太腿部からカテーテルを挿入し、ステントグラフトを動脈瘤の内側に挿入する。うーん、調べてみるしかない。

人工血管(グラフト)に針金状の金属を編んだ金網(ステント)を合わせたものがステントグラフト。これを動脈瘤の内側に配置、新しい血流路を確保することで動脈瘤を血流から遮断する。胸部を大きく切開する他の手法に比べ患者への負担が少なく、高齢者にも安全な手術とされている。比較的新しい手法。さまざまな条件が揃わないとなかなか実施は難しい。なるほど。

しかし、伯母の入った病院には、この手法の第一人者の先生がいらっしゃった。ピンポイントで手術の日程を組んでいただくこともできた。こういう幸運というのは誰に感謝すればよいのだろうか。

かくして無事に手術は終了。翌々日にはもう話せるようになり、ICUから個室病床、そして相部屋へ。大動脈瘤の出術だったのですよ。医学の進歩はすごいとしか言いようがない。

病室を見舞った時は一人で眠っていた伯母。顔色はよさそうだ。声をかけてみるとすぐに目を覚ました。すぐに僕だということをわかったくれて、普通に会話を交わすことができた。

連休明けには退院できることになったのだとか。次回、年末に会うときにはまたピアノを弾いてあげるわ。

「そしたら荒城の月がええなぁ。」よっしゃ。渋いアレンジで練習しとくわ。