首里に住まう男

沖縄の古都、首里に移り住んだ関西人の表の顔

いにしえの京都

俵屋とは、都市の混沌の中に見出される静寂の場である。…略… 俵屋とは、外界の混沌に対峙する内面の静穏の隠喩であるのだ。道は外界である。そして俵屋は、人の探し求める内面の静穏である。そこは、緊張感、凝縮、シンプルさ、形式と調和の完成の上に成り立つ静けさを人に与える。ここ、俵屋にあるのは秩序だって完成された世界である。こうした内面が完成されてはじめて、私たちは外界で活動するための強靭さを備えることができるのだ

ポール・ゴールドバーガー「日本の伝統-いにしえの京都-」