壊れたヨーロッパ
「失敗の本質」を読むと、そのまま二の轍を踏んでいると感じるところはある。日本人ではある、しかしむしろドイツ人、あの時代のあのドイツ人に近いような。
(非公開)
「まさか、あなたは」かれが私に言った、「戦争の話をするために、わたしのところへきたのではないでしょうね」
「あなたに戦争の話はしません」私は答えた。
「ありがたい」ムンテが言った。そしてだしぬけに、ドイツ人は恐ろしく冷酷なことをするというが事実か、と私にたずねた。
「彼らの冷酷さは恐怖の裏返しなのです」私は答えた、「彼らは恐怖という病にかかっています、病んだ民族です、”クランケス・フォルク”」クルツィオ・マラパルテ「壊れたヨーロッパ」*1