首里に住まう男

沖縄の古都、首里に移り住んだ関西人の表の顔

父親とランチ

父親と二人でランチ。近くにできたという和食バイキングの店へ。

昨日から母親は神戸の妹宅へ泊まりに出ている。お昼ごろ、接骨院から帰ってきた父は「おい、なんか食べにいこか。」といった。

珍しい。実際に珍しいことだ。二人で食事に行くなんて何年ぶり、いや何十年ぶりだろう。大学を卒業して社会人になった年、その夏に帰省したときに二人でクルマに乗って泉ヶ丘に出かけた。それは覚えている。

4人がけの席に向かい合わせて座った。「ここはよく友達との会合でくるねん。65歳以上は割引で安いし。」慣れた感じでバイキング皿を手に取り、ちょこちょこと原価の安そうなお惣菜をトングで盛り付けている。

地元の老人サークルに入り、楽しくやっているらしい。年上の先輩たちからもかわいがられているようだ。過日は生意気な年下の講師がやってきて大変だった。そんな話をスラスラと明るい表情で話す。聞いていて、これがなかなか面白い。

父親とは長い間難しい関係にあった。今も波長が合うとはいえない。それだけに一層感慨深い。こうやって向かい合って話せる日が来たのだなぁ、と。