光の研究者
大混雑の『ヒカリ展』。そのなかでは人垣が少なかった「光の研究史」のコーナー。
光に関する研究において特に画期的だった論文の初版本を展示。確かに地味ではある。しかしこれが僕のツボだった。
最も新しいのが1928年、シュレディンガー「波動力学についての四講」だった。おお、かの方程式が書かれているじゃないか。
アインシュタインは凄い人だったのだと改めて思い知る。「光はエネルギーをもつ粒子である」とした1905年の光電効果の論文。これでノーベル物理学賞。そこからさらに相対性理論へ。
小学生の時に伝記を読んでも、この凄さって分からんわな。まあ正直なところ、今も分からんけど。
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個人的な理由で強く関心をもったのが、「視覚論」を著したアル・ハゼンという研究者。
11世紀のイスラム圏、科学者としての名声が高まったアル・ハゼン。エジプトのカリフ(指導者)は彼をカイロに招き、ナイル川洪水の防止方法を考えるよう命じた。
アル・ハゼンは理論的に洪水の防止は不可能と知る。しかしその事実をカリフにそのまま告げるのは危険と判断、気が狂ったふりをして自宅軟禁に仕向けたという。
自宅軟禁中にせっせと論文「光学宝典」を著したアル・ハゼン。このカリフが没すると狂人のふりをするのは終了。その後はさらに精力的に活動、亡くなるまでに数学や物理学、医学の分野で200点以上の著作を書き残した。
やっぱり一流は違う。事実をそのまま告げるのは危険と判断し、気が狂ったふりをして自らを自宅軟禁の状態に置く、とか。
参考にしたい。