『STAND BY ME ドラえもん』
プレゼンは3パターンを準備した。参加者への事前説明もベストを尽くした。誠実に、熱意を持って説明した。けれどもダメだった。まあ今の僕の実力だとこんなもんですね。
真っすぐ家に帰る気になれなくて、しんどいけれども寄り道。『STAND BY ME ドラえもん』を観る。
のび太ってここまでどうしようもないクズだったっけ。応援する気にもならない。パパもママもいい人なのに、どうしたらこんなカスに育つんだろう。
言っていることも、やっていることも、デキ過ぎクンの方がどうみても真っ当じゃないか。しずかちゃんとは結婚できなかったかもしれないが、君はぜったいに成功するよ。そして幸せになるよ。なってもらわねば報われない。
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僕自身、確かにドラえもん世代ではある。しかし、ドラえもんフリークではない。コロコロコミックスの類は立ち読みさえしたことがない。病院の待合室で時間潰しに読んだ程度だ。
だから、この映画も「こんな話だったっけ?」という印象だ。今回はっきりしたのは、これまでのび太に自己投影したことはおろか、同情したこともなかったな、ということ。むしろ、自分が「ドラえもん」のような存在になりたい、そう思っていたのだと気づいた。
小さい頃に読んだ最終回に感動したのも、思えばドラえもん目線だったのだな。根性を付けて、勇気を出したのび太がうれしかった。のび太は自分の生き方とは全く正反対の人間と思い続けていた。今回、改めてそう認識した。
それにしても、しずかちゃんという女性はなんとチャーミングなことか。子供の時も、大人になっても、本当に誠実な心をもっている。立体化されて、その魅力はいっそう高まったような気がする。
しずかちゃんと結婚することが幸せ。のび太のその目標設定は正しいといわざるを得ない。それを実現したの(だとした)なら、のび太は大した男だ。ただ、今の子供たちはこの映画を見て、結婚というものをどう捉えたのだろうと思ってしまう。結婚を人生の目標にする=幸せへの道、と教えるのが正しいかどうかは甚だ疑問だ。
ともかく、時代を経てもしずかちゃんは素敵だった。そういう映画だった。