首里に住まう男

沖縄の古都、首里に移り住んだ関西人の表の顔

NHKアナウンサーの降板

NHKの「のど自慢」担当アナウンサーが番組降板したというニュースが。

松本和也アナウンサー。英語でしゃべらナイトを担当して人気急上昇。2年連続で紅白歌合戦の総合司会を務めている当代屈指の花形アナだ。彼の姿を見たことがない日本人は少ないだろう。その松本アナが、担当している番組をすべて降板したらしい。記事には「心身のバランスを崩した」とある。驚いた。ホントなのか?

  • NHKは11日、「NHKのど自慢」の司会を松本和也アナウンサーから徳田章アナに交代すると発表した。
  • 今月14日スタートの新番組「セカイでニホンGO!」についても、松本アナに変わって青井実アナが司会を務めるとしている。
  • NHK広報局は交代の理由について「松本アナが多忙によるストレスで、心身のバランスを崩したため」と説明している。(msn産経ニュース、2011/07/11)

他人事のような気がしない。というのも、松本アナは僕と同じ年の生まれ。同じ年に大学を卒業。ともに京都大学の経済学部出身。正直に明かすが、彼は大学の同期である。

彼は灘高出身。灘出身者で医学部以外の京大に進む人間は少ない。経済学部を選ぶのはよほどの変わり者か落ちこぼれといわれていた。それにしても当時経済学部からNHKに就職したのは僕の記憶では2人だけ。入局後の活躍を見ても、今でいう「リア充」を最高レベルで実現している男だ。

このニュースを読むまではそう思っていた。それでも、心身のバランスを崩した、と。そして仕事ができなくなった、と。朝日新聞には「(降板は)一時的なものではない」とある。NHKの広報も「(降板期間は)当面としか言えない」という。単純な「心の風邪」といえるレベルには思えない。

2chには「ぞんざいな喋り方が老人から評判悪かった」だの、「出演者とのやりとりが全くかみ合っていなかった」だの、「歴代司会者で最低の人気」だの、全く勝手なことが書かれていた。中には「週を追うごとに、かいている汗の量が尋常じゃなくなっていた」という胸が痛くなる記述も。

絶対に仕事に手を抜くタイプではない。それは誰が見てもわかる。通常のニュース原稿を読む姿も目にしたことがあるが、それさえ一生懸命さがにじみ出ていた。激務をこなしつつ、休暇をすべてバンド活動に充てるほどの音楽通だとも聞く。のど自慢という極めて特殊な音楽番組をどのようにハンドルするか、彼なりに相当悩んでいたのではないか。もちろん原因はそんな単純なものではないだろう。しかし、何らかの「理想」と「現実」のギャップ、それを埋められないことを自分の責任に帰すような心理があったと感じるのだ。

掲示板には「灘京大NHKの超絶エリートに悩みなんてあるのかね。」、「のど自慢の司会なんて楽な仕事で、どうして鬱になんかなるのかね。」という超絶お気楽な書き込みもあった。

本気でそう思っているのかね、この人たちは。どんな学校出ていようが深い悩みを抱えていますよー。この世に楽な仕事なんてないですよー。