首里に住まう男

沖縄の古都、首里に移り住んだ関西人の表の顔

ウルグアイ戦を前に

今週水曜日、14日の日本-ウルグアイ戦が楽しみでしかたない。チケットも追加販売があって、しかも数日前まで売れ残っていたようだ。もう少し早めにこの退職が決まっていればマイルで那覇-仙台直行便を取って観戦に出かけることもできたのに。

柿谷-香川のセレッソ同期ライン、豊田-本田の星稜製日本車ラインの実現にも心躍るが、この目で見たかったのは他でもない、ウルグアイが誇る“世界最強”3トップの饗宴だ。先日のコンフェデレーション杯におけるフォルランスアレスそしてカバーニの存在感の大きさといったら。それぞれの決定力はもとより、自陣深くまで何度でも戻ること厭わない精力的な守備、我を張ることなく他の2フォワードを活かそうとする献身的な前線でのサポート。世界最高峰の選手が同じチームで国旗を背負ってでプレーするとどういうことになるのか、それを具体的に目に見える形で教えてもらったような気がしている。今回、この3人が親善試合にもかかわらず招集された。これを日本国内で観戦できるとあれば、心揺らがないほうがおかしい。

それにしてもウルグアイは遠い国だ。在日ウルグアイ大使館のホームページによれば東京と首都モンテヴィデオとの距離は18,500km、時間にして30時間。日本の約半分の面積に338万人が暮らしているそうだ。僕も一度だけ、地球の真裏にあるこの遥か彼方の国に立ったことがある。訪れたのはブエノスアイレスの対岸にあるコロニア・デル・サクラメント(Colonia del Sacramento)という美しい街。植民地化の波に翻弄され、スペイン領になったりポルトガル領になったりしたため、両国の建築スタイルが渾然一体となっている。街なかの小さなスポーツショップの店先に飾られていた、セレステ(La Celeste・空色)と呼ばれるナショナルチームの爽やかなユニフォームが強く印象に残っている。

ワールドカップで複数回の優勝経験を持つのは、ウルグアイのほかはブラジル、イタリア、ドイツ、アルゼンチンの4カ国のみだ。前回の南アフリカ大会では前評判を覆してベスト4に食い込み、2011年コパアメリカでは優勝、古豪復活を高らかに宣言した。次回ブラジル大会の南米予選はさすがにハイレベルで、ウルグアイにあっても現在当落線上の5位と苦しんでいる。日本との親善試合でコンディションを整え、予選を何としても突破してほしい。ワールドカップの舞台で、セレステ3トップによるスペクタクルなサッカーをもう一度見たい。