首里に住まう男

沖縄の古都、首里に移り住んだ関西人の表の顔

階下からの来客

風の通り道になっているわが家のバルコニー。

台風の時はもちろん、晴れの日も曇りの日も、昼も夜も、強い潮風が首里の丘沿いに流れていく。

何度かプランターでミニ菜園にトライしたのだがコトゴトク失敗。常に吹きさらしになるため、なかなかうまく成長してくれない。枯らすのも可哀想なので、最近はプランターは空き家状態になっている。

ところが。

先週なかばに突然の緑化が始まったのだ。マンションの外壁に沿って、下のすき間から茎と蔓(つる)がニョキリとこんにちは。階下にお住まいの方が育ててらっしゃるゴーヤーだと思われる。

それにしても、恐ろしい生命力だ。毎日伸びる、伸びる。足首だった高さが膝まで。膝から腰まで。今日はもうお腹あたりまでやってきた。このペースなら、来週にはもうひとつ上の階まで到達するに違いない。

驚くのは蔓のメカニズムだ。茎を支えるために、何かに近くのものに絡みつこうとする。対象が見つかると、先っぽがクルクルと丸まって体勢を整える。そして2、3日もするとそれまで柔らかかった蔓がカチカチに硬化、風が揺すったぐらいではビクともしなくなる。うーん、これはものすごいぞ。

様子をみるのが楽しみでしかたない。しばらくはこの階下からのお客さまに心奪われる日が続きそうだ。