首里に住まう男

沖縄の古都、首里に移り住んだ関西人の表の顔

冬至/一陽来復

冬至。陰の極。

陽に転じる区切りの日だ。東京に住んでいた時は、穴八幡さんで「一陽来復」のお札を頂く特別な日だった。金融と縁が切れたのも、このお札を貼らなくなったからかと思ったり。

旧暦を重んじるここ沖縄では、もちろん冬至は重要な日だ。炊き込みご飯を炊き、お供えをし、食べる。

□ 冬至(トゥンジー)

  • 冬至は一年を通して最も夜の長い日。冬至の頃になると沖縄には季節風が吹き、寒い日が続きます。この寒さを「トゥンジービーサ」と言います。
  • 冬至の日に冬至雑炊(トゥンジージューシー)を作って火の神(ヒヌカン)や仏壇に供え、家族の健康祈願を行います。
  • またこの雑炊には、滋養を付けて、寒さを乗り切ろうという意味も含まれ、もとは田芋や里芋を入れたものが作られていました。現在は、昆布、豚肉、かまぼこ、人参などを米と一緒に炊き込み、最後にネギをちらした炊き込みご飯が主流のようです。

旧暦行事カレンダー「おきなわ物語」

冬至の日に、改めて「一陽来復」に思いを馳せる。広辞苑にはこのようにあった。

  1. 陰が極まって陽がかえってくること。陰暦11月または冬至の称。
  2. 冬が去り春が来ること。
  3. 悪い事ばかりあったのがようやく回復して善い方に向いてくること。


三省堂「新明解四字熟語辞典」にはこのような例も引かれていた。

  • この冬いっぱいも無精をして引きこもっていれば、春にはそれこそ、一陽来復でまた元気になるよ。<野上弥生子・秀吉と利休>

何かに導かれるようにここまでゆっくりと沈んできた自分。そろそろゆっくりと浮かんで行こうかと。

傾いた太陽が、また高く昇るように。