首里に住まう男

沖縄の古都、首里に移り住んだ関西人の表の顔

初飲み会

今年はじめての飲み会。

沖縄の銀行でいっしょだったお爺ちゃんに誘われた。月に1度か2度ぐらいは外で誰かと飲むのもいい。

会長には疎んじられたし、経営陣からは嫌われたし、上司にも苛められたし、部下にも裏切られた。そんな銀行だったけど、嘱託のお爺ちゃんたちからは可愛がってもらえた。半年経ってもメールのやり取りはあり、ときどきお酒も飲む。

場所は国際通りから少し入ったところにある小洒落た居酒屋。「あんまり汚いお店に誘うわけにもいかなかったんでね」とおっしゃる。いやいや、そういう店の方が好きなんですわ。気を使わないでください。

お子さんやお孫さんの話を聞いたり、釣りやお酒の話題で盛り上がったり、楽しい時間を過ごした。もちろん、例の話も俎上に上った。

相変わらずだった。膿んだ組織はますます膿んでいた。下劣な奴はますます下劣だった。どうしようもないプロジェクトはどうしようも無くなっていた。

戦線からは離脱を余儀なくされる者が引きも切らない。もしあのまま働いていたら、僕も間違いなく心身を病んでいただろう。

「あっという間に、時間は過ぎるね。」とお爺ちゃんはしみじみと言った。ええ。もう1年切りましたね。まさか、間に合わないことはないですよね。