首里に住まう男

沖縄の古都、首里に移り住んだ関西人の表の顔

今年も冬が終わる

今年の冬も終わろうとしている。

昨冬、友人の一人が亡くなった。彼は長銀時代の同期。「腰が痛い」と訪ねた病院で癌が見つかった。治療が極めて困難な、原発不明癌だった。

彼は自ら信じるところがあり、ごく限られた人以外には闘病の身であることを伏せた。5か月にわたる闘いの後、彼は逝った。

治療困難と告げられても、彼は最後まで病の克服を信じたという。その無念には、想像すら及ばない。
___

その2年前。2011年の冬、同世代の男性が亡くなった。お会いしたこともないその方の死は、インターネットを通じて知った。那覇を代表する歓楽街、松山のとあるバーのサイトだった*1

実は10日前に沖縄銀行さんから○○○○○に出向しておられた○○さんがクモ膜下出血でお亡くなりになられました。仕事を終え帰宅途中のバスの中での出来事だったそうです。まだ44歳。

44歳。通勤バスでの突然の死。どうしても他人事とは思えなかった。

お亡くなりになる1週間前にいらしてくださった時、「正直に言うと今の会社のあり方に少し物足りなく思っているところもあるので、私なりに頑張りたいと思います。」とおっしゃっておられたのが印象的でした。


これからという人生を歩んでおられた途中。心残り幾許であったことでしょう。心から御冥福をお祈りいたします。

季節の便り 2011年02月01日

当時は新しく来たリスク管理部の上司から執拗な嫌がらせを受けていたころ。その日から僕の中で何かが変わった。

死は突然来る。銀行に殺されていはいけない。

悔いのない人生を送るため、本当に何をすべきかを考えよう。上から下まで、完全に腐りきった銀行に、これ以上僕の貴重な時間とエネルギーを費やす価値があるか。そう問い続けた。

そして昨年の夏、一つの結論を出した。この銀行に所属した状態で死ぬわけにはいかない。沈みゆく船から逃れよう、と。

もちろん全く悔いはない。自分の残り少ない人生、心残りがないように、毎日を精一杯生きる。

*1:ttp://www.trinityinc.jp/updated/?p=3244