首里に住まう男

沖縄の古都、首里に移り住んだ関西人の表の顔

いけだ食堂の閉店

ラジオをつけると、ショパンが流れていた。

なるほど今日はショパンの誕生日だった。川崎マヨもこの日が誕生日なのだが、それを知る人は少ないのかもしれない。

ということで、3月は愛車・ゴルフカブリオレの定期点検。

「ますます絶好調、さすがゴルフ!」と、いいたいところなのだが、さすがに24ヶ月目ということで不具合もちらほらと。

半日ほどかけて精密検査が必要だとか。「申し訳ないですが、代車を用意しますので。」

渡されたカギは、おお新型ゴルフGTI。ピカピカの新車じゃないですか。半日といわず、一週間でもいいですよ。

さっそく南部方面へお試しドライブ。やばいな、これは。カブリオレに比べて超軽快。ポンっとシフトダウンさせれば、クククーっと加速。まるでリニアモーターカーのようだ。

アイドリングストップも違和感まったくなし。新しいカブリオレがこれだったら、衝動で買っちゃうかもしれん。やばい、やばい。

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南部へのドライブなんて、移住してからは初めてのような気がする。普段はゴルフ場への往復だけだから。ふらりとクルマを流すのもいいものだ。

どこか適当なところで昼を食べよう。そう思ったが、なかなかピンとこない。あれあれという間に与那原までやってきた。

ここまで来てしまえば、いけだ食堂一択でしょう。今日はチャンポンにしようか、それともカツ丼に挑戦か。

お昼時なのに、駐車場は不思議と空いてるな。店の前の一番いいところにGTIを頭から突っ込んだ。

いやいや、ウソだろ。。。何かの悪い夢じゃないのか、これは。

お知らせ


当店は二月二八日を以って閉店致しました。長い間ご愛顧頂きありがとうございました。

従業員一同

入口で張り紙を見て、茫然と立ち尽くす。まさか、いけだ食堂まで姿を消してしまうとは。しかも昨日って、あんず食堂と同じ日に。

いけだ食堂の建物はまだピカピカだ。この地に引っ越してきたのは、そんなに昔の話ではない。従業員さんたちも、まだまだバリバリ働けるオバサンばかりだったじゃないか。なぜだ。

テレビをつけながら、数人で後片づけをしている。「びっくりしました。どういうことでしょうか。」ドアを開けて、そう訪ねるしかなかった。

「オーナーが歳でね。もうやめようって。消費税も上がるしって。ごめんなさいね。」

先週ぐらいに閉店告知の掲示を出したという。「今日も知らずに来る人がたくさんいてねぇ。」

ひっきりなしにクルマはやってくる。張り紙を見て、口々に「ええーっ?」と叫んでいる。半分は店の中をのぞく。そのまた半分は戸をあけ、おばさんに何やら話しかけている。

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それにしても、どういうこと?これはいったいどういうことなんだ?

嶺吉食堂、あんず食堂、そしていけだ食堂が次々と店を閉じた。カヌチャゴルフレンジも今月幕を閉じる。

動揺を抑えきれない。