コートディボワール戦に思う
香川は言っていた。「世界を驚かせる」と。確かに世界もびっくりしただろう。こんなボロボロのフットボールをする国があるとは。
僕たちは攻撃的なサッカーを追求してきた。それを見せるために来たし、勝つために来た。世界を驚かせるという自信をみな持っている。楽しみしかない。
東京中日スポーツ「香川出陣『世界驚かせる』」2014/6/15
僕の国の代表は、いったい何がしたかったのだろう。これが“組織で勝負する攻撃的なサッカー”なのか?
- ザッケローニからポジション変更の指示。香川と岡崎が「理解できない」という表情を浮かべているじゃないか。
- 前線に上った吉田をめがけてポーンポーンと球を放りこむパワープレイ。「高さでは勝負しない」といってハーフナーも豊田も切ったのじゃなかったのか?
試合開始前のインタビュー。ザッケローニは、「試験を前にした受験生の心境だ」と答えた。なるほど。例えるなら、数学が得意な受験生だな。
- 目指すはエレガントな解法。「出題者を驚かせてやるぜ」ぐらいの勢いで試験会場に乗り込んだ。
- 準備万端で臨んだつもりが、試験が始まってみるとなぜかガチガチに緊張。
- 意外に問題も難しい。事前の模試ではやさしい問題ばかり解いていたのだから仕方がない。
- 1問は何とか解いたものの、2問目以降が全く解けない。このままでは合格はおぼつかない。
- 制限時間が迫ってきて、部分点狙いで答案を書きなぐる。中途半端なまま時間切れ。
- 得意の数学で失敗して呆然。国語(ギリシャ)と苦手の英語(コロンビア)で満点近く取らなければ合格できない崖っぷち。
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残念ながらウルグアイが逆転負け。相手は下馬評で予選敗退確実といわれるコスタリカ。6月3日に日本が3-1で倒した相手だ。
しかしコスタリカのサッカーは素晴らしかった。格上のウルグアイに対し、闘志むき出しで挑んだ。ウルグアイは自分たちのサッカーができず、明らかに苛立っていた。勇気あるプレーで、見事な3ゴールを決めた。堂々の勝利。
世界を驚かせる、強いサッカーだった。