首里に住まう男

沖縄の古都、首里に移り住んだ関西人の表の顔

ノグリーの爪痕

風だけかと思っていた台風ノグリー。去り際にかつてないほど大量の雨を撒き散らしていった。

家を出る直前に同僚からiPhoneに電話。「スーツではなく、雨の中作業できる服装で出社されたし」おそらく会社周辺の清掃をするのだろう。

通勤路は吹き飛ばされた木の枝が散乱。昨日から何度となく中継で映ったNHK周辺は、想像していたよりも台風の爪痕が痛々しい。花はことごとく飛び散り、根こそぎ風に持っていかれた木も。

オフィスに着いて腰を抜かす。1階が床上浸水しているじゃないか。しかも足首のあたりまで。えー、マジですか。こんなのニュースでしか見たことがない。

女性陣は部屋の水をせっせと外にかき出す。男性陣はオフィスの外に溜まった水をバケツで別の場所に運ぶ。激しく降る雨の中での作業。North FaceのRAINTEX Plasmaを着込んできて正解だった。ちょっと重装備すぎるやろか?と思ったのだけれど。

「こういう浸水、よくあるんですか?」そう聞くと、「いや、まさか。こんなの生まれて初めてですよ」という。降り始めから既に400ミリ。例年の7月降水量の2倍を超える雨がこの2日あまりで降ったことになる。確かにムチャクチャやな。

「今年はちょっと大変になるかもしれない」古株の社員がそう呟いた。台風の当たり年というのがあるらしい。毎週のように大型で強烈な台風が本島周辺に襲来するのだとか。

赤道付近には台風に育つ前の赤ちゃん雲がウヨウヨしている。

確かに嫌な予感がする。