首里に住まう男

沖縄の古都、首里に移り住んだ関西人の表の顔

最高のホテルは

職場で社長を交えて雑談。「人生で、もう一度食べたい、最高の料理は何か?」という話題になった。

家庭料理ではなく、カネを出して食べることのできる料理ですよね?だったら僕は迷いなく「丸鍋」。京都「大市」のすっぽん鍋から受けた衝撃は忘れられない。ああ、思い出しただけでヨダレがでてくる。

幸いにして、お店は今もある。というか、このお店の歴史は330年。世紀を超えてこれからもこのシンプルな料理で人を幸せにしていくのは間違いない。京都という街はこういうタイムスパンが桁違いに凄い。

次に、「人生で、もう一度泊まりたい、最高のホテルはどこか?」という話題に。

アマン、リッツ、それともリージェント?僕は迷った末、「俵屋旅館」と答えた。場所は京都の街のど真ん中、中京区麩屋町通姉小路上る。こちらも300年余の歴史ある宿だ。

実は、この宿には一度も泊まったことはない。問いに答えるためには、ともかくまず「俵屋」にだけは泊まってみなければ。確信がある。僕にとっては、きっとここが最高のホテルのはずだ。

学生時代から変わらない、この落ち着いた、そして圧倒的な佇まい。前を通っては「いつかはこの宿を京都の常宿に。」と自分に誓ったものだ。

常宿にするどころか、まだ一度も泊まったことがないのだから、何とも情けない。