憧れの街・シカゴ
記憶が薄れないうちに、映画の感想を記録。
『ダイバージェント』の舞台はシカゴ。正確にいえば、昔は「シカゴ」と呼ばれていた場所だ。人類が一度破滅し、シカゴは廃墟となってしまった。
市内中心部の高架鉄道、通称 ”LOOP” が何度も効果的に登場する。勇敢チームの登場シーン。高架鉄橋によじ登り、列車に飛び乗り、ビルの屋上をめがけて飛び降りていく。
勇敢チームの通過儀礼。ビルの谷間をワイヤーに結びつけた滑車で滑走する。出発する場所は廃墟となったシアーズタワーの屋上だ。
ああやっぱり素敵な街だ、シカゴは。久しぶりに見て、心ときめいた。
ずっと憧れていた街、シカゴ。僕は2回しか行ったことがないのだが、この街はとても肌に合う。
最初は学生時代。もうずいぶんと遠い昔の話だ。経済学を志した者は誰でも、シカゴという響きには特別の思いを抱く。一度自分の目でキャンパスを見たくて、そしていつかはそこで学ぶことを夢見て、シカゴ大学を訪ねた。今となってはほろ苦い思い出だ。
当時のシカゴは荒れた街だった。とりわけ、シカゴ大学周辺は危険な地区とされていた。ダウンタウンからMetraに乗って59th Street駅へ。南に行けばいくほど、窓ガラスが割れ落ちているビルの割合が高まっていった。
一歩キャンパスに足を踏み入れたら、そこは別世界。ゴシック調の重厚な灰色の建築群は、あまりに格調高く、ただただ圧倒されるだけだった。学内のドミトリーに1週間ほど滞在し、いつか必ずここに戻ってくると心に誓ったのだが。そう、実現できない夢もある。
二回目は仕事で。シカゴ連銀主催のコンファランスに出席した。忘れもしない、バーゼルII・第二の柱がテーマだった。確かクリスマスの前日、とても寒かったことを覚えている。翌年用の手帳のリフィルを購入したな。
商品取引の都。商都・シカゴは大阪とどこか似ているような気がする。自由主義で、合理的で、ちょっと危険でヤクザな街。
憧れの気持。悔しい思い。二つの感情が交錯する。