『Red Family』
シリアスな映画だ。間違いなく製作者はそのつもりだ。エンドロールに流れる音楽には、「そう読み取ってくれ」というメッセージが込められている。
コメディではない。とはいえ、スパイ映画としてはディテールが雑過ぎる。実際のところ、北朝鮮の諜報活動はここまでお粗末になっているのかもしれない。この独裁国家、何かを真面目にやればやるほど、滑稽なことになってしまうのだ。笑うに笑えない。
老スパイが言った。「40年間、いつかは夢がかなうとやってきたが、結局何も変わらない。」この言葉は重い。北朝鮮はいよいよ最終局面に入ったのかもしれない。多くの人を短い間だますことはできる。少数の人を長期間だますこともできる。しかし多くの人を長期間だますことはできないのだ。
あと、「最後は家族だ。」このセリフにギョッとした。それは本当だろうか。だとすれば、この「レッドファミリー」、本物の家族ではない北朝鮮のスパイ組織は何の絆で結ばれたのか?
家族の絆ではない。愛情で結ばれたのだ。
最後に残るのは愛情だ。