首里に住まう男

沖縄の古都、首里に移り住んだ関西人の表の顔

バーガーキング

マクドのケチャップが変更されるというニュース。ライバルであるバーガーキング陣営にハインツが入ったからだという。

アメリカの「マクドナルド」は、これまで40年間にわたって使用してきたアメリカの大手食品メーカー「ハインツ」のケチャップについて、アメリカや日本を含め、世界の店舗で使用を取りやめることを明らかにしました。

ハインツはことしの2月、投資会社に買収され、マクドナルドのライバル会社であるアメリカの「バーガーキング」と同じグループの企業になりました。

ハインツ経営陣の交代はこの買収に伴うものですが、ライバルメーカーの「バーガーキング」から経営陣を迎え入れたことに、マクドナルドが反発したものとみられます。

公言しているとおり、僕はバーガーキング派だ。ひいきは1989年以来、かれこれ20年以上になる。うん、マクドは嫌い。本当は大嫌い。

理由は話せば長くなる。要せば、米国に留学したとき、かの地に上陸して初めてありつくことのできた食事がバーガーキングだったから。

深夜到着便で単身ニューヨーク入りし、不安な気持ちでマンハッタンの宿に投宿。翌朝、ポートオーソリティ・バスターミナルから6時間バスに揺られイサカへ向かうという日程。そしてはっきりと記憶に残っている、バスに乗る前にありつけたあの朝食。感じた悔しさと嬉しさは忘れられない。

右も左もわからない初めてのニューヨーク。今日からいよいよ英語で生活することになる。「マクドなら、マクドなら何とか注文できるだろう」。そう思ってドキドキで入ったマンハッタン・ダウンタウンのマクドナルド。チーズバーガーとオレンジジュースを注文した。

ウンターで対応したのは黒人の太ったおばはん。「は?」と顔をしかめられた。「チーズバーガー エンド オレンジジュース プリーズ」。再度オーダーしたが、両手を天に向ける例のポーズ。「お前さんのいうことは、まったくわからん」とさ。

そんなアホな。そう思ったが、根性無しの僕はギブアップしてしまった。思い返すと、ああ、嫌がらせをされたのだな、と。いや、通じないわけないやろ?実際。オーダーリストを指さして、チーズバーガーとオレンジジュースやで。でも、その時は少なからずショックだったな。初めて入った店で、英語が通じない。マクドで食事も注文できない。大丈夫か?おれ。

スーツケースを転がして、店の外へ出た。目に入ったのが、斜め前にあったハンバーガーショップ。バーガーキングは当時はまだ日本にはない。再挑戦は見知らぬロゴのこの店で。

店員さんが白人だったか黒人だったか、男性だったか女性だったかも覚えていない。けれど、ちゃんとチーズバーガーとオレンジジュースが出てきた。その時の気持ちははっきりと覚えている。ホッとしたというか、安心したというか。とにかく、おいしかったですわ。かれこれそういうわけで、僕が初めて食べることのできた食事は、バーガーキングだった。

留学中、もちろんマクドには一度も入らなかった。イサカのキャンパスタウンにはバーガーキングはなかったが、他の街で見かけたときはかならずバーガーキングを食べた。そう、僕はバーガーキングに恩義があるのだ。

いまも特別の思い入れがある。でも、それ抜きにしてもバーガーキングは美味しいよ、まじで。