企業不祥事に「不作為」の病巣
今日の日経電子版は面白い。
「みずほ・JR北海道…企業不祥事に「不作為」の病巣」という座談会。
有料記事なので転載はできないが、重要な部分を著作権法で認められている範囲でごく一部だけ引用しつつ。
――問題の背景と教訓は何でしょうか。
- 最近の(やるべきことをやらなかった)不作為型不祥事の原因は、危機の芽に対する経営トップの感度が低すぎることだ。
- 単に組織とルールを整備するだけのコンプライアンスでは解決しない。問題のきっかけをつかむ情報を「部下が対処すべきこと」と考え、経営者が自らの問題だと判断できなかったのだろう。
- 企業は同じような能力・背景などを持った人材の集積度合いが高いほど業務成果が上がる。一方で、反対意見を排除したり情報収集に偏りが出たりして、誤った方向に進みやすくもなる。
●●では、トラブルが発生するたびに、個別の行員に責任を負わせる風土があった。正規の賞罰会議にかける前に、「●●厳正化会議」という独特の内部処理会議にかけられる。そこでは直接弁明する機会は与えられず、結果が通知されると顛末書を書かなければならない。なんとこの顛末書を書くにあたっては、書き方(≒謝罪の仕方?)の見本が添付されてくる。顛末書はPCで書くことは許されず、手書きが強要される。
戦後60年、いまどきこんな組織があるのかと震撼。JR北海道、みずほもこれほどではなかろう。JR西日本の仕打ち部屋よりもひどい。
トラブル発生の度に「チェックリスト」という名の免罪符が作られる。次から次へと。目で二度確認しても、手でチェックしても、指差し点検しても、ミスはなくならない。そしてある日、致命的なトラブルが発生する。
――どのような改善が必要ですか。
- 正しいことをした人をポジティブに評価すべきだ。
座談会はまだまだ続く。ぜひ全文読んでみてください。