首里に住まう男

沖縄の古都、首里に移り住んだ関西人の表の顔

債権回収子会社

ある沖縄の銀行のプレスリリース。

ホームページをたまたま覗いたら、ちょっと妙なタイトルのリリースを発見した。

「子会社設立に関するお知らせ」。たった13文字だ。こんなに短いタイトルでのプレスリリースは、この銀行ではとても珍しい。ほぼ3年ぶりの短さだ。

この銀行の場合、いつもそれはもう過剰なほど長いタイトルをつける。

等々。実に長い。琉大のことを、わざわざタイトルに「国立大学法人琉球大学」なんて書くかね?コピーライター教室なら、まず赤線で消されるレベルだ。

それなのに、今回はたった13文字。「子会社設立に関するお知らせ」だ。タイトルだけでは何のことだかさっぱりわからない。なんで?

もしかして、何か隠しそうとしているの?中身を開いてみる。ふむ、なるほど。債権回収会社」を設立したのか。ならば、そのまま「債権回収子会社設立に関するお知らせ」と書けばいいじゃないか。

事業再生支援の取り組みを強化するとともにグループ内の債権回収の集約により業務効率性を高めるため。

これが子会社の設立目的らしい。うーん、お世辞にも洗練されているとはいえない、取ってつけたような文章だ。債権回収子会社でしょう?シンプルに、「グループ内の債権回収業務を集約し、効率性を高めるため。」設立目的はそれでいいじゃないのかな?

「債権回収業務」に、何か後ろめたい感覚があるのだろうか。債権回収子会社を設立したことで、何かネガティブな印象を持たれてしまう、そんなことを懸念しているのだろうか。

堂々と「債権回収子会社設立のお知らせ」と書けばいい。グッドニュースじゃないか。債権回収は銀行において非常に重要な業務だ。とりわけ、銀行の主要なステークホルダーである「株主」と「預金者」は、回収効率を上げる取り組みを極めてポジティブに受け止めるはずだ。

なぜだろう。不思議だな。「債権回収子会社設立のお知らせ」と書けばいいのに。

こういった部分に、こういうセンスに、少なからず違和を感じてきたのだよ。