ノグリーがやってくる - 首里に住まう男

母は無事に実家に着いた。「やっぱり行ってよかったわ」とメールが届いた。

ホテルの朝食をゆっくりと食べ、いっしょに空港に向かった。どうやら、明日８日については早々に全便欠航が決まったようだ。

９日も関西行きは飛ばないだろう。もちろん今日７日の本土行きはすべて満席。今からではもうチケットは手に入らない。１泊だけにしておいたのは本当に賢明な選択だった。

職場では台風襲来に備える作業。窓ガラスのすき間をガムテープで埋め、南向きの窓には飛散防止のフィルムを貼った。「今回はかなり凄そうだ」と、みなが口々にいう。

早めに帰宅。バルコニーのテーブルとチェアを部屋へ入れる。前回飛ばされそうになった網戸、全部はずして取りこんだ。名もない花が咲くプランターも、カエルの陶器の置物も、全て家の中へ。

今回だけはクルマも念のため。いつもとは前後を反対にして停め、ガムテープで幌と窓ガラスの間を埋めておいた。

まだはるか南の海上にいるノグリー。しかしもう、窓の外では風がうなりをあげている。沖縄本島を飲み込むほど大きな台風の目、実に不気味だ。

織姫と彦星、今年は気の毒に。

■台風第8号 (ノグリー)07月07日19時