首里に住まう男

沖縄の古都、首里に移り住んだ関西人の表の顔

ワックスをかける

運転中に通り雨が。ちょうどいい感じにクルマが濡れたこともあり、帰宅後いつものワックスがけを。

ワックスがけは全く苦じゃない。「いったい何が楽しくて」と思われる向きもあろうが、実際楽しいのだから仕方ない。
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父親のクルマ、実家の自家用車のワックスは僕の担当だった。思い返すに、小学生のころから。父親の洗車は楽しそうに見えた。ワックスがけの作業は見ていて不思議だった。

「やってみるか?」と乾いた古タオルを渡された。塗り込んだワックスが粉を吹いたボンネット。タオルで拭き上げると、みるみるツルツル、ピカピカに。そのうち、ワックスの塗り込みも僕の係になった。ああ、労働は美しく楽しい。
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ワックスがけをする人は減ったのだろうか。マンションの駐車場でもまったく見かけない。クルマを購入した時に、ワックス不要のコーティングをするようになったからなのか? それとも、自動洗車機にワックス成分が含まれているからなのか?

沖縄では、みな諦めているのかもしれない。クルマは磨いても無駄。車の塗装は、塩害と強烈な太陽光線ですぐにやられてしまうからだ。実際、沖縄のタクシーのボンネットはボロボロ。ピカピカに磨かれた東京のタクシーを見慣れた目には、これが同じ国の商売かと映る。
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愛車Golf Cabrioletは屋根が布張り。だから、自動洗車機にかけられない。手で洗い、手でワックスをかける宿命だ。ええ、自分でワックスをかけるのは全く苦じゃありません。実際楽しいのだから。

駐車場で作業していると、住民さんから声をかけられる。「いつもピカピカですね」「昔はうちもワックスかけてたんですけどね」などなど。手を止めて、しばしおしゃべり。

「クルマの屋根、白い毛がついてませんか?」と隣のクルマのオーナーさんに言われた。確かに最近いつも毛らしきものがついている。「昼間、白いネコちゃんがお宅のクルマの屋根で気持ちよさそうに寝てますよー。」

知らんかったー。この黒いお布団、冬場の昼寝には最高でしょうな。昼寝はいいけど、爪を研ぐのだけはヤメテよ。たのむよ。