首里に住まう男

沖縄の古都、首里に移り住んだ関西人の表の顔

祝・退職一周年

退職して今日でちょうど1年。

正しい決断をしたものだ。本当にあの銀行を見切ってよかった。あの久茂地での悪夢の日々を思えば、今はなんて幸せなのだろう。

「沖縄の銀行を退職しました。」人にそう話すと、「へー、またそれは思い切りましたね。」と返されることが多かった。ええ、まあ思い切りましたね。

「雰囲気が悪かったし、虐められましたから。」理由を聞かれると、そう答えてきた。それ以上のことを話すと、守秘義務を果たせなくなる。キチンと話すほうが公共の利益になると思うけれど。

「じゃあ、もう沖縄の銀行とは何の関係もないんですよね?」そう前置きをして話し始める人が少なくない。

ある居酒屋の女将さんは「情のない冷たい銀行だ」といった。ある企業の経営者は「自分の保身しか考えない器の小さな経営者だ」といった。「心から恨んでいる。」そういう人もいた。

僕は「そうですか。そうだったんですね。」とだけ応じた。今さら「すみません」、「申し訳ない」とは言う必要はないだろう。僕はもうあの組織と何の関係もないのだから。

みな口に出しては言わないだけ。銀行を敵に回したら損する。ただその理由だけで黙っているのだ。

本当は県民から嫌われている、そんな地方銀行