首里に住まう男

沖縄の古都、首里に移り住んだ関西人の表の顔

沖縄の金利はまだ高い?

沖縄銀行ホームページを見てびっくり。またまた全国最高水準の高金利で預金を集め始めたらしい。1年定期の適用金利は0.3%、預入金額は1万円以上無制限*1

黒田日銀が異次元緩和を実施しているこのご時世。高金利で評判のネット銀行でさえ、こんな水準の金利は供与していない。オリックス銀行eダイレクト預金が0.27%、住信SBIネット銀行の円定期預金が0.25%、大和ネクスト銀行円定期預金が0.22%などなど。

沖縄銀行のキャンペーン以上(1年もの金利0.3%以上かつ預入金額1万円以上無制限)を提示している銀行は、10月1日現在、全国で島根銀行だけだ*2。ほぼ同じ条件を提示しているのが新銀行東京*3。他の銀行は最低預入金額が300万円以上など高めに設定されていたり、逆に1,000万円までと制限されていたり。あるいは初めて口座を開設する顧客に限定して高めの金利をサービスするといった条件が付されている。

島根銀行、新東京銀行が高い金利をつける一定の合理性はある。信用力が低いからだ。日本格付研究所の最新の格付けは島根銀行がBBB、新銀行東京がBBB-。投資適格ギリギリだからある程度高い金利で調達せざるを得ないのだろう。一方、沖縄銀行の格付けはA+。島根銀行からは4ノッチ、新銀行からは5ノッチも上の信用力を持っているにもかかわらず、こんな高い金利を提示している。信用力の水準からすれば、預金を集めるにあたってこんな金利(リスクプレミアム)を提示する必要はないはずなのに。

しゃかりきになって預金を集めなければならないほど、沖縄マーケットには貸出需要があるのか?いやいや、預貸率は低下の一途をたどっている。平均貸出金利回りも低下しているようだ。それでも預金で積極的に資金調達する理由はなんだろうか。

客観的なヒントは2年前にこのブログで示した。「沖縄の預金金利はなぜ高い?」と題した記事を書いたとき、沖縄銀行は0.55%という全国ダントツの金利で預金を集め、本土の人たちから「なぜこんな高いの?」と不思議がられていた。基本的なロジックは、この時から何も変わっていないのだと思う。

2年前、こんな高金利はめったにないから、母親に預金を勧めようかとも思った。今ははっきりいって勧めるつもりはない。僕はどうするか?仮に1億預けても、税引き後の利息は約24万円ですか。しかも預金保険の適用は1,000万円まで。うーん、リスク勘案後収益という観点では、選択肢としてあり得ないでしょうねぇ。

*1: 2013.10.07 「おきぎん美ら島支店定期預金1年もの0.3%キャンペーン」の取扱を行います。

*2:ネットプラス0.325%、1万円以上1,000万円未満1円単位。ネットプラス大口0.38%、1,000万円以上1円単位。

*3:スーパー定期預金0.3%、100円以上1円単位。