首里に住まう男

沖縄の古都、首里に移り住んだ関西人の表の顔

王将の天津飯

出張で東京へ。朝一番で那覇空港で待ち合わせ。なんだかちょっと気が重い。団体旅行は苦手なんで。

僕の経験でいっても、出張のスタイルは業界によってまちまちだ。面白かったのは格付機関の時。調査出張はかならず主担当と副担当の2名でペアで行動。それがルールだったので仕方ないが、まあ面倒だったな。

金融庁の時は現地までは一人で行き、会議場で日銀の担当者と落ち合うという形が多かった。日銀はビジネスクラスがデフォだし、ホテルもずっといいところに泊まれる。日本の公務員は旅費法の縛りが強くて、基本は安宿&エコノミークラス。僕としては全く不満なし。これはこれで気楽で楽しかった。

4人で行動する出張なんて、いつ以来だろう。いや、4人での出張は人生で初めてのような気がする。この業界は、こういう「視察旅行」的なスタイルが一般的なのだろうか。
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羽田空港から浜松町で乗り換えて川口へ。お昼は「餃子の王将」。みな”大阪王将”しか食べたことがないという。ほな、本物を食べてみなはれ。全然ちゃいますから。

僕はもちろん餃子1人前&天津飯。オーダーの際、タレを「甘酢、塩味、京風」の3種類から選ぶよう促された。こんなシステムだったっけ?とりあえず甘酢で注文。それにしても、京風ってなんだ?

実際、「京風」というやつはくせ者だ。むかし、「京風ラーメン」を謳ったなんとかというチェーン店があったのだが、そこで出されていたのはなんと薄味の醤油ラーメン。いやいや、こんなの京都の街のどこ探してもないっつーの。京都風=お上品な薄味、というのは全く根拠のない幻想ですぜ。

まず餃子が登場。続いて天津飯が運ばれてきた。価格はそれぞれ220円&440円。結構高いな。関西はもうちょっと安かったはず。僕が高校の時は確か140円&280円だったし。

レンゲを手に持ち、勇んで天津飯をすくって口へと運ぶ。ええーっ。これ、違うやん。僕の青春の味と全然ちゃう。これは完全に酢豚のタレやんか。

餃子を食べて「旨い、うまい!」と絶賛した隣の席の上司も、天津飯を食べた後はなぜか無言。あー、これはやばい。これは王将の天津飯とちゃいました。ほんまにすんません。

「うん?美味しいですけど。」といったのは向かいに座った同僚。彼は「京風」を選んでいた。ちょっと一口食べてみていいですかね?

ああ、これです。これですわ。これが僕の知っている王将の天津飯。上司も斜めからレンゲですくって味見。「うん、これはうまい。」そうかぁ、これが確かに京都スタイル。京風を選ばなかった僕が悪かったわ。

王将の天津飯は必ず「京風」で。今日、生きていく上で大切な教訓をひとつ得た。