首里に住まう男

沖縄の古都、首里に移り住んだ関西人の表の顔

法人口座の被害急増

沖縄の銀行、今朝のNHKニュースで取り上げられていた。

インターネットバンキングを通じて預金を奪われる被害は、これまで一般の個人の口座が主でしたが、全国銀行協会や各地の金融機関によりますと、ことしに入って企業などの法人口座が狙われるケースが急増しているということです。法人口座では、一度に多くの額を取り引きできることが多いため、個人に比べ1回当たりの被害は多額に上っています。


例の不正アクセスの問題だ。2月21日の記事でこの話題は採り上げたのだが、今朝の報道で新しい事実を知った。まず、被害の具体的な件数と金額だ。

このうち沖縄銀行では、先月までの2か月間に県内の3つの会社の法人口座から合わせて1,700万円が不正に送金されたほか、同じ沖縄県にある琉球銀行でも、去年12月、県内の1社の口座から1,200万円が不正に送金されたということです。

沖縄銀行が3社1,700万円、琉球銀行が1社1,200万円。2月に地元紙でこの問題が報道された時よりも被害は拡大しているようだ*1。実際に何回の不正送金が行われたかはわからないが、いずれにせよこれはかなり大きな額だ。小さな会社であれば経営が揺らいでしまう、そんな金額があっけなく口座から消えるのだ。

てっきりこのような被害は補償されるのだと思っていた。ところが、それは違うと今朝初めて知った。

こうした場合、個人の口座ではほとんどのケースで被害に遭った金額を銀行側が補償していますが、法人口座の場合は、多くの銀行が過失などがないかぎり補償しない方針を示しています。

沖縄の地元紙はこのような情報を全く伝えなかった偏向した政治コラムには大量に紙面を割くのに。こういった県民生活に真に重要なことこそ、きっちり報道すべきではないのかね。

これでは恐ろしくてインターネットバンキングなんて使えない。「利用者の過失」あるいは「銀行の過失」というのがどういったケースを指すのかわからない。その判例があるのであれば、ぜひとも知りたいところだ。

預金保険の対象になるよう、わざわざ金利のつかない「決済用預金」に預けておいたとしても、この被害は償われない。預金保険による預金の保護はあくまでも金融機関が破たんした場合のみだ。

預金者はこれまで金融機関の信用リスクさえ考慮していればよかったが、これからはオペレーショナルリスクの管理能力を評価しなければならない、そんな時代になったということか。

はたして沖縄の銀行は、これから本当に安心できるインターネットバンキングを提供しうるのだろうか。2月21日の記事で書いた内容を自分で読みなおしてみた。

インターネットバンキングは今や銀行の生命線であり主戦場だ。弱小地銀如きが真似事で運営していける時代ではない。もう時代についていけない。その現実を見つめるべきじゃないか。

*1:「ネットバンク2300万円被害 琉銀・沖銀」沖縄タイムス2014年2月26日