首里に住まう男

沖縄の古都、首里に移り住んだ関西人の表の顔

地銀6行、災害時に連携

今日もつかれた。沖縄人の持つガラスのプライドを傷つけずに仕事をするのはとにかく大変だ。

帰ってきて、ソファーに座る。届いたばかりの日経夕刊を読む。1面に興味深い記事が。

地銀6行、災害時に連携 物資・人員を融通 」日経夕刊・2014/4/17


全国の有力地銀6行が、地域をまたぐ業務提携に乗り出す。大規模災害など緊急時に相互に物資や人員を融通し、金融システムの混乱を防ぐ。

地域集中リスクの塊である地方銀行リスク管理の観点からすると、そのリスクを分散しようとする動きは必然だ。同じ文脈で、このような業務提携も合理的な動きと評価することができる。

興味深いのはそのメンツだ。提携するのは千葉と中国、第四、伊予、東邦、北国の6行。この業界に身を置いたことのある人間なら、ピンとくる。「ああ、ツバサの人たちね」、と。

TSUBASA(翼)プロジェクト。千葉、中国、第四、伊予、北国の5行が2008年に基本合意したシステム共同化の動きだ。このつながりがベースとなり、今回の災害時の相互融通という業務提携につながったようだ。

システムを共同化した銀行グループ。そのグループ内での結び付きは、地方銀行業界で最も意味のある、重要なカギを持つつながりになると予想している。

システムを共通化することは、運命を共にすることとほぼ同義だ。壮大なシステム産業となった銀行。銀行としての存否は、システムの能力が決する時代になった。

事務手続き、商品は共通化される。システムを安定的に、効率的に運営するためには、共通化は必須の条件だ。事務手続きや商品性に地方銀行如きがこだわり、独自性を持つなんて全く意味のないことだ。そのこだわりがシステムトラブルの温床になる。つまらないこだわりのために、この巨大なリスクをとるなんて狂気の沙汰としか言いようがない。

共通化されれば、業務提携はやりやすい。持ち株会社化、そして経営統合というゴールに行きつくことも十分ありうる。システムを共同化した銀行グループ、すなわち「システム」をベースにした結びつきは、ある意味で「資本」をベースにした結びつきよりも、ずっと強固だといえる。

システム共同化への取り組みを凍結した地方銀行がある。どこまでシステムの独自運営を続けるつもりなのだろうか。システムを共同化するという判断の重みを知らなかった。その罪は重い。